PRODUCTS色で伝える東洋インキプロダクト

PRODUCTS 01カレイド

RGBのイメージをそのままに。
広演色印刷を実現する

02 実験!色をより鮮やかに見せるカレイドプロファイル

プロファイルを活かして広色域印刷をもっと簡単に!

『+DESIGNING 』2013年8月号(vol.33)に掲載された記事を再掲載しています。

前号では東洋インキの広演色インキ「カレイド」を印刷サンプルとともに紹介しました。
カレイドはその広い色再現領域が特長ではありますが、その色域を活かすには、カレイド以上の色域を持つ色鮮やかな原稿を使う、またはカレイドプロファイルで変換したあとで、カレイドの色域をうまく活かすことができるように色調補正を加える必要があります。そのため、画像を取り扱うデザイナー、オペレーターのスキルによっては、この色域を十二分に活かすことができないこともあるかもしれません。
スキルや時間を要することなく、簡単に、カレイドの色再現をより鮮やかに(ドギツク)するデータを作る方法があれば、これまで以上に、カレイドを活用しやすくなるはず。
そうした課題を東洋インキさんに投げかけたところ……提案されたひとつの解決策が「カレイドプロファイルのカスタマイズ」でした。
カレイドデータを作成するには、RGBデータをカレイド用のCMYKプロファイルで分解しますが、このプロファイルに手を加え、CMYK変換時に色を鮮やかにしてしまうわけです。本来の色以上に鮮やかさを追求するわけですから、階調やディテールが失われる可能性もあります。しかし、実際にはもともと階調の少ない原稿やディテール以上に鮮やかさを優先したいケースもあるはず。
プロファイル変換だけでどこまで鮮やかな色を出せるのか、いざ、実験です!

PRINT GEEK

野口尚子
プリンティングディレクター、執筆者。著書に『PlayPr inting̶しくみを知って使いこなす、オフセット印刷、紙、インキ』(BNN新社)ほか。
http://yohaku.biz/

村上良日
写真専門学校を卒業後印刷機機長、スキャナオペ、工程管理業務を経て現在フリーDTPオペレーター。印刷を覗き続けて15年。
『+DESIGNING 』にて「やもさんの覗いてみないとはじまらない!!」連載中

Qプロファイルってなに?

A 色域(カラースペース)など、色の特性情報をもつファイルのことです

たとえば、R0B0G255という色があったとき、漠然とこの数値があるだけではどのような色かはわかりません。RGBやCMYKの色は数値だけでは決まらず、色域(色の枠のようなもの)と組みあわされてはじめて色が決まります。この色域情報のほか、モード変換時の変換テーブルなどを持っているのがプロファイルです。プロファイルにはディスプレイやプリンタ、印刷機といった各デバイスごとのプロファイルや、AdobeRGBやsRGB、またはJapanColor2001といった規格として定められているものがあります。カ レイドの標準プロファイルも、印刷用CMYKプロファイルのひとつです。

プロファイルがないと……
プロファイルがあれば……
AdobeRGBのデータをsRGBとして開いてしまうと…

プロファイルは“正しい色”で見るために、それを別の作業者に伝えるために欠かすことができないものです。本来のものとは違うプロファイルでデータを開いた場合、色が正しく見えないだけでなく、処理によっては色を損なってしまうこともあります。このプロファイルを用いて、データ、出力の色を管理しようというのがカラーマネージメントの基本的な考えかたです。

*本記事は編集側の意向に沿って、あくまで実験用として作られたプロファイルの提供を受けて作成しているものです。ここで紹介したプロファイルは東洋インキがカレイド用プロファイルとして配布しているものではありません

Q同じ色域を持つプロファイルならどれで変換しても同じ?

A 分解設定が異なるプロファイルでは、同じ色域でも印刷結果は異なります

たとえば、RGBの濃い色をCMYKにするとき、Kを中心にするのか、CMYで構成するのか、さまざまな選択肢があります。プロファイルは、こうしたとき、どのように色を変化させるかという変換情報をテーブルとして持っています。そのため、たとえ色域は同じでも、プロファイルによってCMYKに変換した結果は異なります。このほか、変換時のレンダリングインテント(色の圧縮方法)によっても、変換後の色は変化します。

分解後のCMYKチャンネルを見ると、設定により色成分が異なることがわかります
Q 変換しただけで鮮やかな色になるプロファイルってないの?

A 東洋インキさんに実験的に作ってもらいました。

カレイド用画像データを作る場合、一般的な行程では標準プロファイルで変換後、モニターで色合いをシミュレーションしながら、適宜、色調補正を行ないますが、プロファイル変換をするだけでカレイドベースでより鮮やかな色をつくることができれば……という想いに応え、東洋インキさんが作成したテストプロファイルは6種。2つはKの量で色をコントロールしたもの、残りの4つはなかば強制的に色を鮮やかに変換するプロファイルです。

このプロファイルで変換すると……

プロファイル変換で色は鮮やかになる?
RGB画像から印刷用CMYK画像を作る場合、可能な限り色の変化をおさえてカラーモードを変換するのが基本です。一般的にプロファイルによるCMYK変換では色域が狭くなることはあっても、広くなる(鮮やかになる)ことはありません。変換によって、色そのものを鮮やかに変えるこれらのテストプロファイルは特殊な存在といえます。

Kaleido v5
現在、東洋インキのWebサイトなどで提供されているカレイド用標準CMYKプロファイル。 総インキ使用量は350%
Black_S/Black_L
標準プロファイルからKの量をコントロールしたもの。Black_SはKを控え、Black_Lはフルブラックに近い分解設定。総インキ使用量はBlack_Sが350%、Black_Lが306%
Vivid_A1/Vivid_A2
より鮮やかな色再現をめざし、カレイドをベースにカスタマイズしたプロファイル。A1は色が反転しない程度の鮮やかさ、A2はさらに鮮やかに。総インキ使用量はいずれも350%
Vivid_B1/Vivid_B2
Vivid_A1/A2同様、カレイドをベースにカスタマイズしたプロファイル。Vivid_B1は色が反転しない程度の鮮やかさ、Vivid_B2はさらに鮮やかさに。Vivid_A1/A2とはプロファイル作成ソフトが異なる。総インキ使用量はいずれも350%
*6つとも、デフォルトのレンダリングインテントは「知覚的」
Kaleido v5
上記のサンプルでも使用している花の写真を、各プロファイルごとにチャンネル表示したもの。鮮やかさを優先したプロファイルでは、マゼンタがより強調されているのがわかります
*6つとも、デフォルトのレンダリングインテントは「知覚的」

各プロファイルごとにチャンネル表示した
Qそれぞれのプロファイルでどのくらい色が違うの?

A 実際に印刷してみました。

上記で紹介した、6つのプロファイルと標準のカレイドプロファイルを使って、3種の原稿を印刷してみました。ひとつめは写真。階調の再現性や自然な彩度が求められます。ふたつめは階調のあるイラスト。写真同様、破綻のない階調性と色合いが求められますが、写真以上に色のトーンが多様なのも特徴です。みっつめは階調の少ないイラスト。色面を中心に構成されているため階調性以上に色の鮮やかさが求められます。
さて、気になる実験結果は……?

写真の場合

JapanColor 2001 Coated

デジタル一眼レフで撮りっぱなし、無補正のAdobeRGBデータ。花弁のマゼンタやイエローは色域内におさまり、色飽和していません

階調のあるイラストの場合

JapanColor 2001 Coated

柔らかい色調で描かれたイラスト。極端な色変換をしても色調、階調が維持できるかが重要です
イラスト:深崎暮人 フリーランスイラストレーター。書籍用イラスト、ゲーム原画、小説挿絵、など多方面で活躍している。
http://cradle.cc/

階調のないイラストの場合

JapanColor 2001 Coated

階調のない、色面で構成されたイラスト。階調が破綻する心配はありませんが、色調の変化に気を配りたい原稿です
イラスト:あんみつ 関東在住。ゆるゆると絵を描いています。
http://pappa.suppa.jp/

写真の場合

墨の多いBlack_Lの仕上がりのよさは意外でした。通常インキではどうしても「墨っぽい」と感じてしまう分解方法ですが、カレイドインキではその欠点が抑えられ、利点である彩度のよさが際立っています。またインキ総量が低めで印刷適正もよく、選択肢に加えられる、よいプロファイルだと感じます。

写真の場合

階調のあるイラストの場合

PRINT GEEK

プロファイルで彩度を上げてしまうとCGでは階調が破綻しやすい傾向にありますが、カレイドの色域限界まで活用した場合、4色とは思えないくらいのポテンシャルを秘めているのがわかります。

階調のあるイラスト

階調ないイラストの場合

CMYKで再現しにくい鮮やかなピンク・パープル系。JapanColorとKaleido v5を比べると、濁りがとれてすっきりした色味に。 彩度を上げたプロファイルでは色によって変化の差が大きく出てしまっています。

階調のないイラスト
Qどれが最適?

A 原稿にあわせてプロファイルを選んでみました

撮りっぱなしで色調補正をしていないAdobeRGB画像です。
日陰になっている肌部分のシアン成分を少し抜いてあげたいところ。ここでもBlack_Lはなかなかよい印象に仕上がっています。好ましい彩度上昇が見られ、墨っぽい感じはしません。この企画は無補正変換が前提なのですが、よりキレイにしたくなる欲が出るような、よいプロファイルに仕上りました。少し暗部の再現性が劣るので、ほかのGCR分解と同様のシーンで使うとよいでしょう。
Vivid_A1での表現はかなり派手になりすぎているように見えますが、他との比較でなくこの一点だけであればそう違和感は感じないでしょう。このようなKaleidoの色域をいっぱいに使った派手めの色調を好まれる方も多いだろうと思います。Vivid_A2は写真画像に関しては、好みの範疇を越えていて論外ですが、他のテスト画像の中には一瞬蛍光インキを使っているのか? と錯覚するようななかなかおもしろい仕上がりのものもありました。

イラスト:あんみつ

PRINT GEEK

コントラストが大事なイラスト。背景の格子に注目してみると、色のバランスを保ったままコン トラストがくっきりしているのはBlack_L。気になる点は全体の彩度を上げると淡色の濃度も上がってしまうところ。Vivid_A2では鮮やかさのインパクトはありますが、濃淡の差がなくなり、のっぺりとした印象になっています。

イラスト:深崎暮人

PRINT GEEK

衣装や背景の鮮やかさに目がいきがちですが、こうしたイラストで気を配りたいのはキャラクターの肌の階調。このイラストは通常のCMYKで印刷したときに色があうように描かれているため、肌色の変化はVivid_A1くらいまでが許容値。限界まで彩度を上げたパターンでは、Vivid_A2よりもVivid_B2のほうがまだ自然な階調に収まっています。

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