PRODUCTS色で伝える東洋インキプロダクト

PRODUCTS 01カレイド

RGBのイメージをそのままに。
広演色印刷を実現する

03 実験!カレイドでいろいろな紙に印刷してみよう

コート紙にしか刷れない?気になる用紙対応力を検証

『+DESIGNING』2013年11月号(vol.34)に掲載された記事を再掲載しています。

一般的な印刷と同じ、CMYK4色で従来以上の色域を表現する、東洋インキの広演色インキ「カレイド」。色のあざやかさとCMYKデータとして扱えるという、取り扱いやすさが魅力のインキです。
この連載では、こうした技術をより使いやすく、身近なものにするために誌上実験を行なってきました。
第一回目(2013年5月号)では通常のインキとカレイドの色の違いを紹介し、第二回目(2013年8月号)では、より手軽にカレイドの色域を活かすための、オリジナルプロファイルの検証を行ないました。
第三回目となる今回は、カレイドの用紙対応力を検証します。
色域が広いインキであればこそ、そのあざやかさを活かすためにコート紙のようなインキの乗りがいい、発色のいいものを選ぶのが常套手段です。しかし、あざやかな色合いに、紙による素材感や風合いを加えることができれば、より一層、広演色印刷の利用範囲は広くなるのではないでしょうか。では、実際にコート紙以外にカレイドで印刷するとどうなるのでしょうか。あざやかな色は得られないのでしょうか。
今回はその疑問を検証すべく、これまで行なってきたコート紙による実験から一転、ラフ系微塗工紙や中質紙、上質紙のほか、ファインペーパーにいたるまで、いろいろな紙に印刷をしてみることにしました。 コート紙以外の紙でも、カレイドはその実力を発揮できるのか。いざ、実験です!
※実際の仕上がりは誌面をご覧ください。

PRINT GEEK

野口尚子
プリンティングディレクター、執筆者。著書に『PlayPr inting̶しくみを知って使いこなす、オフセット印刷、紙、インキ』(BNN新社)ほか。
http://yohaku.biz/

村上良日
写真専門学校を卒業後印刷機機長、スキャナオペ、工程管理業務を経て現在フリーDTPオペレーター。印刷を覗き続けて15年。
『+DESIGNING 』にて「やもさんの覗いてみないとはじまらない!!」連載中

Qカレイドって、どんな紙でも問題なく印刷できるの?

A 微塗工紙や上質紙でもカレイドを試してみました。

カレイドは基本的にコート紙での印刷を前提にしています。しかし、そのあざやかな色合いを、さまざまな素材で再現したいというデザイナーも多いのではないでしょうか。
今回は、微塗工紙、上質紙、中質紙をはじめ、株式会社竹尾の協力を得て、キャストコート紙「ルミナホワイト」、デザイナーにも高い人気を誇るファインペーパー「アラベール」、そして『+DESIGNING 』連載「FuturePaperProject」にて記事掲載中の「すっぴん紙」の6種にてテスト。
原稿には前号に引き続き、写真、階調のあるイラスト、階調のないイラストの3種を採用し、それぞれを標準プロファイル、墨版を調整したプロファイル、色をあざやかにする彩度アッププロファイルで分解しました。

紙種
Qコート紙以外の紙での印刷結果は?

A カレイドの彩度が紙質を補い、上質紙でも高い効果が得られました。

6種類の紙と、8種類の分解で印刷をした今回の実験。
結果はコート紙以外でも、非常にすぐれた効果を発揮しました。キャストコート紙では予想に違わず、光沢感ある抜群の発色になり、ラフ系微塗工紙ではあざやかさに風合いが加わっています。
特に彩度アッププロファイルを使用した場合には、上質紙のような本来、写真などの印刷には向かないとされる用紙でも、あざやかな発色が得られました。

テストに使用した

テストに使用したデータは上記のようなもの。
❶~❽で分解を変えており、内容は以下の通りとなっています。
❶JapanColor 2001 coated(シミュレーション)
❷Kaleido v5(カレイド標準プロファイル)
❸Bk_L(標準をベースに墨版多め)
❹Bk_S(標準をベースに墨版少なめ)
❺Vivid_A1(彩度アッププロファイルA・弱め)
❻Vivid_A2(彩度アッププロファイルA・強め)
❼Vivid_B1(彩度アッププロファイルB・弱め)
❽Vivid_B1(彩度アッププロファイルB・強め)
*各プロファイルの違いについては前号参照

b7トラネクスト(微塗工紙)
※『+DESIGNING』2013年11月号(vol.34)1~32・89~144ページに使用

『+DESIGNING 』にも使われている嵩高微塗工紙。インキの乗りもよく、網点再現性も当然非塗工紙よりはすぐれています。主張しすぎないマットな風合いで人気のある紙です。
塗工が薄いぶん、マット紙と上質の中間の印刷適正、網点再現性で、インキの発色は塗工紙に近いのですが、シャドウ部の再現性はコート紙に比較すると落ちます。
そのためシャドウ部の再現性に少し難のあるBk_Lよりも標準プロファイルのv5、またはインキ総量の低いBk_Sを選択したいところです。もっとも、Bk_Lも印刷濃度を少しだけ落としてやるととたんにすっと抜けたいい表情に仕上がるため、印刷側の事情にあわせて、これらからうまく選択するとよいかと思います。

しらおい(上質紙)
※『+DESIGNING』2013年11月号(vol.34)に綴込みあり

PRINT GEEK

平滑でさらりとした手触り、いわゆる普通の紙を代表するような上質紙ですが、インキ用の塗工がされていないため通常は色が沈んでしまうのが難点。
JapanColor(上図は色域シミュレーションによる印刷)ではやはりくすんだ色になってしまうものの、実力を発揮したのが彩度を上げたカレイドプロファイルです。コート紙では派手すぎるように感じられたVivid系のプロファイルが、インキの沈みで相殺され、落ち着きのある調子に。もちろん濃度ではコート紙にはかないませんが、上質紙でもなかなかの発色が期待できる結果になりました。

フロンティタフ80(中質紙)
※33~88ページに使用

これも『+DESIGNING 』に使われている中質微塗工紙です。拡大した写真ではかなりでこぼこのある肌質に見えますが、塗工してあるため印刷すると文字などがくっきりと読みやすく、荒れた肌質がそれほど気になりません。
この紙も網点再現性はコート紙に比較すると当然、落ちます。シャドウの潰れはもちろん、インキを乗せた画線全体に紙地のテクスチャがくっきりと現われてくるため、これに負けない発色のVivid_A1がよさそうです。すっぴん紙ほどではありませんが、カレイドインキの彩度のよさはこういった紙に刷ることでより通常インキとの違いが際立ってくるように感じます。
今回はUV印刷でしたが、そうでない場合はBk_LまたはBk_Sのような総インキ量の少ないものを選択して調整していくとよさそうです。

アラベール・ウルトラホワイト
※『+DESIGNING』2013年11月号(vol.34)に綴込みあり

PRINT GEEK

適度なラフさのあるアラベールのなかでも、白色度の高いウルトラホワイトでテストしました。同じ非塗工紙のしらおいと比べると、より明るく、抜けがよい発色になっているのがわかります。カレイドは再現できる色域の広さも重要ですが、より濁りの少ないクリアな色で印刷できるのもポイント。紙地の白さと相まってより明瞭な色が現れた例といえるでしょう。Kaleido v5やBlack_Lでの素直な発色に注目したい組みあわせです。

ルミナホワイト(キャストコート紙)

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ピカピカの鏡面光沢のあるキャストコート紙。発色の傾向はコート紙の場合とあまり変わりませんが、インキの乗った部分は光沢が抑えられてややマットになり、明るめのすっきりとした仕上がりに見えます。表面加工との相性がいいため、さらにグロスニスやPPを貼った場合の変化が見てみたいところです。

すっぴん紙(中質紙)

「無添加の紙」です。この紙に印刷したらどうなるのかを見たくて、今回カレイド印刷テストに混ぜていただきました。印刷されていないすっぴん紙は素朴な印象ですが、実は紙の個性がとても強いために、プロファイル選択が好みの領域になってしまいました。あえて選ぶなら、Vivid_A1を「中庸」として選びます。しかしこの紙、かなり彩度を高めてカラーバランスが崩れたVivid_B1/B2ですら受け止めてしまう強烈な個性を持っています。特にVivid_B2の発色は、相乗効果か、艶めかしさすら感じました。印刷適性としては、印刷機を通った時点で、吸湿と乾燥によりかなりのでこぼこが見られ、油や水をよく吸うためにUV以外では難しい気もします。しかし、もっといじめてみたくなる、おもしろい紙です。

印刷結果・まとめ

高級コート紙でのカレイドインキの発色のよさは万人が認めるところですが、今回テストしたような紙ではカレイドインキのポテンシャルの高さ、通常プロセスインキとの差が際立ってきました。用紙のテクスチャ+カレイドインキの組みあわせ、なかなかの可能性があると思います。これまでかなり実験的なカラープロファイルやさまざまな個性の紙でのテストをしてきましたが、この結果からあらためて広演色インキの可能性を感じさせられました。カレイドインキ、おもしろい!

PRINT GEEK

前回はカレイドの特徴である色再現域の広さや彩度の高さを重視したプロファイルの実験でしたが、用紙を変えた応用では、鮮明な顔料、顔料分散性の向上による「濁りの少ない発色」が印象的でした。
特に通常は印刷適正があまり良くないとされる非塗工紙での発色は予想以上。
「インキが進歩することによって、紙選びの選択肢も増えるかも」という期待感のわく結果になったと思います。

印刷結果

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