PRODUCTS色で伝える東洋インキプロダクト

PRODUCTS 01カレイド

RGBのイメージをそのままに。
広演色印刷を実現する

09広色域インキKaleido&高精細ハイブリッドスクリーンFairdot2

カレイドインキ&高精細印刷第二弾はハイブリッド!

AMとFMを比較した本誌前号(vol.08)に引き続きカレイドインキ&高精細スクリーンを試してみましょう。今回は大日本スクリーン製造株式会社のFairdot2を使用して、鮮やかで柔らかい色合いの水彩画を印刷してみました。 そもそも、なぜ高精細やFM、ハイブリッドを試したいのか……それは、カレイドインキの高彩度をより強めることができる印刷だからです。

通常のAMスクリーン175線の印刷は「力強さ」が魅力ですが、精細感には少し欠けてしまいます。

これに対して高精細スクリーンでは、通常の網点の見えかたとは違った挙動を示し、実際に彩度が上がって見えます。この特徴によって、カレイドインキの高彩度をさらに生かした印刷が期待できるのです。
また高精細になると、グラデーションのつながりも滑らかになってきます。今回は水彩の微妙な濃淡や鮮やかさ、柔らかさをより引き立ててくれる、と期待して、いざ実験です!

AM? FM? まずはその違いについて知っておこう

オフセット印刷では、CMYKそれぞれの「濃さ」を変えることができません。CMYKインキが紙に「着いている」「着いていない」の2通りの状態にしかできないのです。そこで、人の視覚では判別しづらいほど細かな点、「網点」に濃淡を分解し、網点の状態で濃さを表わしています。

この「状態」の作りかたは、大きく分けるとAMとFMの2つになりますが、AMの刷りやすさや力強い表現と、FMの精細感や滑らかさ、両方の利点だけをうまく組みあわせたハイブリッドスクリーンと呼ばれる方式もあり、各社さまざまな方法で実現しています。今回使用するFairdot2もハイブリッドスクリーンの一種です。

AMスクリーン

AM175lpi CMY各50%の拡大写真

現在のオフセット印刷はほとんどがこの方式です。網点の間隔を一定にし、面積を変えることで濃淡をあらわします。マス目の中を塗りつぶす面積が変わる、と考えてください。マス目の細かさは「線数」で表現し、一般的な細かさは175線、1インチ(2.54cm)を175に分割します。印刷しやすく、また力強さを感じる仕上がりになります。点をキチンと並べる都合上、実は常にモアレが出ています。CMYKそれぞれに違う角度をつけて並べることでモアレは最小化し目立たなくなります。

FMスクリーン

FM 20μm CMY各50%の拡大写真

AMとは逆に網点の大きさを一定にして、その粗密で濃淡を表現します。点が少なければ薄く、密集していれば濃くなります。「線数」に相当するものはありませんが、精細度を表すために「600線相当」と言ったりします。CMYそれぞれに角度はありません。モアレは原理的に発生しませんが、点を分散させる方式によってはザラツキが感じられたりします。ひとつの点の大きさは20㎛程度が多く、これはAM175線の2%の網点の大きさとほぼ同じです。この大きさの点をしっかり安定して印刷するには高い技術が必要です。

AM/FMのいいとこ取り!
ハイブリッドスクリーン「Fairdot2」とは?

Fairdot2のCMYKグラデーション拡大

FMスクリーンの弱点は、網点が小さいことによる印刷のしづらさと、網の粗密のバラツキがざらついて見えてしまうことでした。Fairdot2では点の分散を最適化し、さらに中間調部分でAMのように点の大きさを変えています。AMの場合は点を大きくすると、ある濃度になると一気に他の点と接触し、これがトーンジャンプの原因のひとつになっていました。Fairdotでは点の生成方法に工夫して、接触するタイミングがバラけるようになっています。これにより色の刷り重ねや点の再現性が安定し、刷りやすく滑らかな表現が可能になりました。前回実験したRandot Xの系譜を引き、さらに美しさと安定性を追求したスクリーンがこのFairdot2と言えます。

点が小さくなると彩度が上がる?

小さい点が大きくなる?

機械的ドットゲインの例。この大きさで見るときは、光学的ドットゲインは見えません

印刷で紙上に乗ったインキ膜の広さは、データや印刷版上の広さとはいろいろな理由で異なります。ひとつは、機械的なもの。オフセット印刷機の版から紙へは、版胴(シリンダ)、ゴムなどを巻いたブランケット胴、そして紙を巻き付ける圧胴、という順番で転写していきます。このとき、版胴とブランケット胴間での転写で網点は太ります(ブランケットから紙への転写ではあまり太りません)。これを、機械的ドットゲインといい、実際に印刷される点の大きさになります。

光学的ドットゲインの例。インキ皮膜を通った光は、インキの乗っていない所からより多く出てきます

ところが、点は実際にはもっと太って見えます。これは、インキの皮膜を通って色のついた光が紙の中で乱反射し、インキ皮膜の外側からも出ていくことで起こります。これを、光学的ドットゲインといいます。 これらの「太り」は、印刷した点の大きさに関わらず一定です。従って、点が小さくなればなるほど「太り」の部分は相対的に面積が大きくなります。

「漏れた光」の視覚効果

微細化による色域拡大の例。内側はAM175線、外側はFMスクリーンです

二つのドットゲインのうち、光学的ドットゲインによるインキを透過した薄い色光は、インキ皮膜本体の反射光等よりも鮮やかに見えます(若干明度も下がります)。ドットゲインは点が小さければ小さいほど大きくなるので、高精細化して小さい点が増えるほど、彩度が上昇し色域が拡大します。
この光学的ドットゲインは制御できませんが、制御可能な機械的ドットゲインを調整すれば、彩度が高く鮮やかな印刷を実現できます。

機械的・光学的ともに、「はみ出る」量は一定です。したがって小さい点ほど太った分の比率は大きくなります

イラスレーター・松野美穂さんによるKaleido+Fairdot2サンプルです

下記でご紹介するのは、素材をひとつひとつ水彩で描き上げ、スキャンののちPhotoshop上でレタッチ、レイアウトするという、独特の制作スタイルを持つイラストレーターの松野美穂さんです。今回はいつものスキャナとは違う特性を持った「ドラムスキャナ」で原画をスキャンし、そのデータを使って作品を仕上げて頂きました。KaleidoとFairdot2による水彩表現をお楽しみください!

松野美穂Works

書籍、雑誌の表紙、新聞の挿絵、また広告と幅広く活動されている松野さんのお仕事から、ごくごく一部を紹介します。

カゴメ 野菜生活100「ゆず&ジンジャー」/広告
左:集英社文庫『あやかし草子』著:千早茜 発行:集英社/表紙
中:『調剤と情報』発行:株式会社じほう/表紙
右:『ことばの果実』著:長田弘/発行:潮出版社/表紙
『電子雑誌トルタル』発行:カナカナ書房
左:2012 vol.4 4月号
中:2012 vol.2 7月号
右:2013 vol.2 2月号

松野美穂 MATSUNO Miho

山口県宇部市生まれ、千葉県千葉市在住。
千葉職業能力開発短期大学校 産業デザイン科 卒業
制作会社で広告や書籍のアートディレクター、デザイナー、DTP業務を行ないながらセツ・モードセミナーで絵を学ぶ。2007年よりフリーランスに。

  • 「坂川栄治の装画塾」第八回 修了
  • 2013年10月 ポスターを描く vol.4 出展
  • 2015年10月 第11回世界ポスタートリエンナーレトヤマ2015入選(保田卓也さんとの共作)
  • NPO法人日本独立作家同盟 正会員
  • 玄光社「イラストレーションファイル」掲載

Webサイト:http://www.matsunom.com
Facebookページ:http://www.facebook.com/matsunomiho
Instagram:http://instagram.com/matsunom
Twitter:http://twitter.com/matsunom

※この内容は、『+DESIGNING 』2016年3月29日発売 (vol.41)に掲載されています。
http://www.plus-designing.jp/pd/pd41/pd41.html

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