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株式会社バンダイ
「真のグローバル化」を見据えて「カラーUD」に取り組む
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最初のUDは「取り出しやすいパッケージ」
玩具や模型などの商品開発を手がけ、多くの人々に「夢」と「感動」を与え続けてきた株式会社バンダイ。「キャラクターマーチャンダイジング(CMD)」というビジネスモデルを軸に、新たな領域にもチャレンジし続けています。そんなバンダイが、UDに取り組み始めたのは2003年。最初は、商品を取り出しやすいパッケージの工夫から着手したそうです。
「一人ひとりの社員が『これがベスト』と考えてものづくりに励んでいるわけで、そんな中でUDへの理解を得るのは大変でした。」
そう語るのは、プロダクト保証部の三本松真広さん。三本松さんの粘り強い説明の甲斐もあり、次第に社内にはUDへの理解が深まっていきました。

カラーUDについても 「やれるところは、すべてやっていきたい」と語る。
「UD」から「カラーUD」へ
バンダイが「カラーUD」に取り組み始めたのは2008年。三本松さんが、あるイベントで東洋インキのブースを訪れたのがきっかけでした。「色覚障がい」について一定の知識はあったものの、見え方の違いに驚いた三本松さんは「これはやらないといけない」と強く思ったそうです。
会社として最初に着手したのは、パッケージの表記。例えば、黒地に赤文字で書かれているものは、黄色文字に変更するなど、色づかいに配慮しました。また、ガンダムのプラモデルの説明書なども、パーツの色分けを工夫することで、誰が見ても混乱しないようにしました。
「こうした色への配慮に取り組むと、色覚障がいの有無にかかわらず、その方が誰にとっても見やすいことに気付きました」と三本松さんは言います。
実際に使ってみて
2007年初めのころ、「UDing」のWindows版をテストしてみた金さん。「実際に使ってみて、各色覚タイプ別の見え方が、スムーズにシミュレートできました」と言います。その後、Macintosh版も同様にスムーズに動作することを確認し、今ではすべての作業をMacintosh版で行っています。

第1色覚障がいの人には、赤字が黒の背景に埋もれ、 大切な部分が目立たない。

赤色の文字を黄色に変更することで、 「カラーUD」に配慮している。

切り取り口の位置が、背景のデザインに埋もれて 分かりにくくなっている。

玩具は子どもが最初に手に取るカラフルなもの
こうして業界に先駆け「カラーUD」を推進するバンダイですが、三本松さんは決して十分とは感じているわけではありません。「玩具は、子どもが最初に手に取るカラフルなもの。それで色を覚えたりするわけで、とても重要な役割を担っています。」
玩具の場合、キャラクターなどは決められた色があるので変えるわけにはいきませんが、「会社として、やれる領域はすべてやっていきたい」と三本松さんは言います。
今後、「真のグローバル化」を目指し、世界的な市場で戦っていく上でも、「色への配慮」は不可欠なピースと考えているようです。