カラーユニバーサルデザインについて詳しく知る

STUDYカラーユニバーサルデザイン

誰にでも優しく理解しやすい色の見え方

色の「違った見え方」で、
困っている人たちがいます。

色の見え方には、個人差がある事をご存じでしょうか?国内には、約320万人にも上る「色覚障がい」の人がおり、その識別に不便さを感じているといわれています。
「カラーユニバーサルデザイン(CUD)」は、そんな「色のバリア」をなくし、誰にでも優しく、理解しやすい色の見え方を推奨する概念です。

「カラーUD」とは

色覚障がいの有無にかかわらず、
「誰もが公平に見えるデザイン」を追求する。

色覚に障がいがあれば、日常生活のさまざまな場面で「不便さ」を感じます。仮に、交通標識が読み取れなかったり、家電製品の警告ランプを見落としたりすれば、生死にかかわる重大な事故につながる可能性もあります。
そうした「不便さ」をなくすために、誰もが公平に見えるよう色の配色やデザインを工夫する――その概念こそが「カラーユニバーサルデザイン(カラーUD)」です。近年、「年齢や能力にかかわりなく、すべての生活者に対して適合するデザイン」を目指す「ユニバーサルデザイン」という言葉が、さまざまな分野で使われるようになりましたが、「カラーUD」はその一領域と位置付けることができます。

「色の使い方」や「見せ方」を少し工夫するだけで、
「カラーUD」 は実現できる。

「カラーUD」とは、実際にどのようなものでしょうか。下の画像1をご覧ください。これは「カラーUD」に配慮する前のカレンダーを1(P)型2色覚の人が見た場合です。これではどこが休日なのか、瞬時に理解することができません。
次に、画像2をご覧ください。これは「カラーUD」に配慮したカレンダーですが、休日の部分が白抜きになっています。これならば、色覚に障がいを持つ人でも、どこが休日なのかを瞬時に理解することができます。 このように、「色の使い方」や「見せ方」を少し工夫するだけで、誰もが必要な情報を素早く読み取れるようになります。それこそが「カラーUD」なのです。

「カラーUD」に配慮していないカレンダー
1(P)型2色覚の見え方
「カラーUD」に配慮したカレンダー

あらゆる業界に広がりを見せる「カラーUD」

近年、「カラーUD」は、あらゆる業界に広がりを見せています。自治体では、カラーUDの「ガイドライン」を策定し、誰にでも識別できる印刷物や案内標識などの普及に取り組むところが増えています。また、印刷業界をはじめとして家電メーカー、食品メーカー、玩具メーカー、鉄道事業者なども、さまざまな形で「カラーUD」に取り組んでいます。

業界別カラーUDの取り組み例

業界・分野 取り組み例
行政・自治体 パンフレット、案内標識、ハザードマップ
家電・事務機器 スイッチ、各種ランプ、リモコン、操作パネル
医療・食品・飲料 パッケージデザイン、注意書き、薬剤やボトル飲料のラベル・シール表示
交通・鉄道 サイン(案内標識)、路線図
印刷・広告 印刷物、Webデザイン、ダイレクトメール
建築 契約書、カタログ、店舗内サイン
病院 院内案内サイン